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自己株式取得 | 日本取引所グループ

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(1)

東 証 株 総 第 5 号 平成 11 年1月 19 日

各 位

東 京 証 券 取 引 所

理 事 長

山 口 光 秀

東 証 市 場 を 利 用 し た 自 己 株 式 の 取 得 方 法 に つ い て

拝啓 貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

平素は、本所の運営につきまして、格別の御高配を賜り、厚く御礼申し上げます。 さて、平成6年の商法改正等により自己株式取得に係る規制が緩和されたことを受 け、自己株式取得を実施する事例は増加しておりますが、市場買付けによる方法の場 合、自己株式取得に特有の重要事実への対応や相場操縦規制等との関係から、過度に 慎重になり、必ずしも円滑に利用されているとは言い難い面があります。一方で、公 開買付けによる方法では、機動性等が制限されるとともに、法定公告等によりコスト 高となってしまうという面があります。

そこで、本所では、買付けの機動性やコスト面でのメリットが大きい市場買付けの 円滑な実施に資する観点から、本所市場を利用した買付方法として、オークション 市場における単純買付けに加えて、事前公表型のオークション市場における買付け、 事前公表型のToSTNeT−2(終値取引)による買付けの具体的な方法について、 法的な留意点・対応とともに紹介することとします。なお、これらの方法の法的問題 の整理は、神戸大学名誉教授河本一郎先生の御見解にしたがって行ったものであり ます。

敬具

(2)

東 証 市 場 を 利 用 し た 自 己 株 式 の 取 得 方 法 ( 要 旨 )

単純買付け

株価水準や市場動向等を見ながら機動的な買付けが可能。

豊富な流動性のため買付けが容易、他の株主の売買の機会も確保。

セントラル・マーケットにおいて自主規制機関による売買管理の下で買付けが行わ れること等から、取引の公正性や透明性が担保。

インサイダー取引規制との関係から、社内管理体制の確立等が必要。買付決定の外 部委託の方式もあり。

相場操縦規制との関係から、価格、タイミング(買付時期・時間)、買付株数等に 留意が必要。

買付け

市場買付けの機動性を活かしながら、単純買付けの場合のような出来高による買付 数量の制約や買付期間の長期化等の問題を解決。

流動性の高い東証のオークション市場で競争売買の下で執行されるため、他の株主 の売買の機会も確保。

セントラル・マーケットにおいて、自主規制機関による売買管理の下で買付けが行 われること等から、公正性や透明性が担保。

特定の売方に生じるインサイダー取引規制の問題に対応するため、事前に買付内容 を公表したうえで、取引を行うことが必要。

事前公表が相場操縦等につながることのないよう、買付価格や買付方法等について 適切な内容を公表するとともに、買付結果についても公開を行うことが適当。

T o S T N e T − 2(終値取引)に よる買付け

市場買付けの機動性を活かしながら、前日終値で買付けを行うことができることに 加え、買付価格が需給バランスで結果的に左右されることはない。(終値で確定)

売り・買い注文が時間優先の原則の下で執行されるため、他の株主の売買の機会も 確保される。

豊富な流動性を有するオークション市場との一体的な売買管理が行われること等 から、公正性や透明性が担保。

特定の売方に生じるインサイダー取引規制の問題に対応するため、事前に買付内容 を公表したうえで、取引を行うことが必要。

事前公表が相場操縦等につながることのないよう、買付価格や買付方法等について 適切な内容を公表するとともに、買付結果についても公開を行うことが適当。 特定の売方を前提とせず、オークション市場の流動性を利用して行う買付け

大株主等の特定の売方にあらかじめ売却の依頼等を行い、買付内容を事前に公表 したうえで、オークション市場において行う買付け

大株主等の特定の売方にあらかじめ売却の依頼等を行い、買付内容を事前に公表 したうえで、ToSTNeT−2(終値取引)により行う買付け(ただし、クロ ス取引による方法を除く)

(3)

1

東 証 市 場 を 利 用 し た 自 己 株 式 の 取 得 方 法 に つ い て

平 成 1 1 年 1 月 1 9 日 東 京 証 券 取 引 所

1.はじめに

自己株式の取得については、過去のエクイティファイナンスや株式の持合い状況、 自己資本利益率の見通し等を踏まえ、財務政策の自由度を広げるといった観点から、 平成6年の商法改正等に伴い規制緩和が行われた。

商法では買付方法として、市場買付けによる方法と公開買付けによる方法を規定 しているが、市場買付けによる方法の場合、自己株式取得に特有の重要事実への対 応や相場操縦規制等との関係から過度に慎重になり、必ずしも円滑に利用されてい るとは言い難い面がある。一方で、公開買付けによる方法では、その手続き等が法 令で厳格に定められていることから、市場買付けによる方法と比較して、買付けの 機動性、自由度が制限されるとともに、法定公告等に伴いコスト高となってしまう というデメリットがある。

こうした中で、先般、本所では、自己株式の取得を実施する会社が、相場操縦的 行為及びインサイダー取引規制の趣旨を踏まえて適切に買付けを行うことができ るよう環境を整備する観点から、売買審査の観点から本所が主に注視する一連の行 為等を「自己株式取得に関するガイドライン」として作成し、公表を行った。 さらに、本所では、自主規制機関としての役割を担うとともに、多様な売買取引 制度を提供する立場から、買付けの機動性やコスト面でのメリットが大きい市場買 付けの円滑な実施に資するよう、本所市場を利用した買付方法として、オークショ ン市場における単純買付けに加えて、事前公表型のオークション市場における買付 け、事前公表型のToSTNeT−2(終値取引)による買付けの具体的な方法に ついて、法的な留意点・対応とともに紹介することとする。なお、これらの方法 の法的問題の整理は、神戸大学名誉教授河本一郎先生の御見解にしたがって行った ものである。

2.自己株式取得の際の法的な留意点

(1)インサイダー取引規制との関係

自己株式の取得には、決算情報等の一般的な重要事実と自己株式取得に係る重 要事実に伴うインサイダー取引規制上の検討点が存在する。

(4)

一般的な重要事実については、上場会社は当該会社の重要事実を知りながら買 付けを行い得る立場にあるため、インサイダー取引規制との関係に留意が必要と なる。

自己株式取得に係る重要事実については、自己株式取得の定時総会への付議決 定に加え、個別具体的な買付決定に係る情報がある。買付会社自身は、インサイ ダー取引規制の適用除外となっており、個別具体的な買付けについて問題が生じ ることはない。ただし、買付会社以外は適用除外となってはいないことから、大 株主等の特定の相手方に具体的な買付情報をもとに、売却を打診・依頼した場合 には、当該売方についてインサイダー取引規制との関係で留意が必要となる。

(2)相場操縦規制等との関係

自己株式の買付けに当たっては、会社情報を有し、株価に直接の利害を有する 上場会社自らがマーケットに関与することとなるため、相場操縦規制との関係に 留意が必要である。

また、買付情報を知る特定の売方に生じるインサイダー取引規制の問題を回避 するために行う事前の買付情報の公表については、不正取引行為の禁止や風説の 流布の禁止との関係に留意が必要となる。

3.本所市場を利用した自己株式取得の方法

(1)オークション市場における単純買付け

(買付方法と特徴)

オークション市場における単純買付けは、市場買付けでは広く利用されている 方法であり、特定の相手方の売付けを前提としない中で、オークション市場の流 動性を利用して、当該市場の売付注文に対して買付けを行う方法である。 この方法の特徴は、公開買付けによる方法とは異なり、時々の株価水準や市場 動向等を見ながら、機動的に買付けを行うことができる点にある。

本所のオークション市場は、他の取引所と比較して、格段に流動性が高いこと から、買付けが容易であり、その結果、買付コストを抑制できる i。また、豊富 な流動性ゆえに多くの株主の市場への参加が可能であり、自己株式取得に当たっ ての他の株主の売買の機会を確保するという面でもメリットがある。さらに、セ ントラル・マーケットにおいて自主規制機関の売買監理の下で買付けが行われる こと等から、取引の公正性や透明性が担保されることとなる。

(5)

3

(インサイダー取引規制との関係)

買付けに際しては、決算情報等の一般的な重要事実に伴うインサイダー取引規 制との関係に留意が必要である。この点については、別添のガイドラインが示す とおり、執行時期(決算発表やファイナンス期間等)に留意するとともに、社 内 管理体制の整備、チャイニーズ・ウォールの確立といった対応が求められる。な お、インサイダー取引規制との関係を解決することを目的に、買付決定の外部委 託(投資一任契約方式、取引一任勘定取引方式等)の方法により対処している先 も見られる。

(相場操縦規制等との関係)

自己株式の取得に伴う相場操縦規制との関係については、平成6年の証券取引 審議会公正取引特別部会報告書に示す取引態様や別添のガイドラインを踏まえ、 価格、タイミング(買付時期・時間)、買付株数、委託証券会社等に留意する必 要がある。

(2)事前公表型のオークション市場における買付け

(買付方法と特徴)

事前公表型のオークション市場における買付けとは、大株主等の特定の売方に あらかじめ売却の打診や依頼を行い、買付内容をあらかじめ公表したうえで、オ ークション市場において買付けを行う方法であり、これまでいくつかの上場会社 により実施されている。事前に買付内容の公表を行うのは、あらかじめ具体的な 買付内容をもとに売却の打診等を受けた売方に生じるインサイダー取引規制の 懸念を解消するためである。

《具体的な流れ》

X 日−1 ・具体的な買付日時、方法等の決定 大引け後 ・具体的な買付決定の公開

・大株主等への売却依頼

X 日 ・買付情報の効力発生(インサイダー取引規制の解除)

寄付き前 ・上場会社の買付委託と特定株主の売付委託、他の株主等の売付・ 買付委託

寄付き後 ・取引約定(競争売買原則(価格優先、時間優先)の下で執行) ・買付結果の公開

(6)

この方法の特徴は、特定の大株主等からの売却が予定されているため、その 時々の相場の動向を見ながら機動的な買付けを行うという市場買付けのメリッ トを活かしながら、単純買付けの場合のような出来高による買付数量の限界性や 買付期間の長期化といった問題を解決できる点にある。

本所のオークション市場は流動性が高く、多数の売付注文・買付注文の下で、 買付けの際は競争売買の原則(価格優先・時間優先)により執行されることから、 買付会社と特定の売方以外を取引から排除するものではなく、広く株主に売買の 機会が確保される。この点、他の取引所では取引が僅少であり、他の株主の売買 の機会という面で非常に限界的である。なお、セントラル・マーケットにおいて 自主規制機関の売買監理の下で買付けが行われること等から、取引の公正性や透 明性が担保されることとなる。

(インサイダー取引規制との関係)

買付けに当たっての一般的な重要事実に伴うインサイダー取引規制との関係 については、前述のような社内管理体制の確立等が必要である。

特定の大株主に売却を打診・依頼することにより売方に生じるインサイダー取 引規制の問題については、買付日前日に、具体的な買付内容(買付予定日時、買 付予定数量、買付予定市場等)について2以上の報道機関に公開したうえで、12 時間を経過(インサイダー取引規制の解除)した翌日に取引を行うことが求めら れる。

(相場操縦規制等との関係)

売方のインサイダー取引規制を回避するための事前公表については、証取法の 一般的不正行為の禁止や風説の流布禁止規定、相場操縦規制に抵触することのな いよう工夫が必要である。

具体的には、公表内容が他の者に誤解を与えたり相場に影響を与えることのな いよう、買付価格について前日の終値や成行注文

i i

とする方法があり、買付数量 についても、市場動向で取得できない場合も想定されることから、その旨を付記 することが適当である。また、買付数量に相応の売付注文があること等を付記し、 大 量 の 買 付 注 文 の み が 投 入 さ れ 相 場 が 急 騰 す る と い っ た 誤 解 を 与 え な い よ う 配慮する必要がある。さらに、証取法上は重要事実の公表として求められてはい ないが、買付情報を事前に公表することによる市場への不確定要素を早期に解消 するうえでは、買付後にはその結果を2以上の報道機関に公開することが適当と 考えられる。

(7)

5

(3)事前公表型のToSTNeT−2(終値取引)による買付け

(買付方法と特徴)

事前公表型のToSTNeT−2(終値取引)による買付けも、基本的な仕組 みは上記( 2) の事前公表型のオークション市場における買付けと同じではあるが、 立会時間外に前日終値で取引を行う新売買取引制度を利用するものである。ただ し、自己株式取得への利用に当たっては本制度におけるクロス取引による買付け は除くものとする。

i i i

【制度の概要】

取引時間と価格 (注文発注時間) (取引時間) (取引価格)* 8: 20∼ 8: 45 8: 45 前日終値 8: 20∼12: 15 12: 15 前場終値 8: 20∼16: 00 16: 00 当日終値

取引単位 最低売買単位から取引が可能

売買執行の方法 時間優先の原則 (時間的に早く発注された注文か ら順次約定。ただし、クロス注文は優先執行)

決済日 4日目決済

* 取引価格については、制度的には各終値のほか、売買高加重平均価格もあり。

この方法には、上記( 2) と同様、市場買付けのメリットである機動性を活かし ながら、買付数量の制約や買付期間の長期化といった問題点を解決できることは もとより、前日の終値による確定した価格で買付けを行うことができるため、需 給バランスによって買付価格が結果的に左右されることがない点に大きな特徴 がある。

買付けの際には、時間優先の原則により、売り買い注文が執行されることから、 最小売買単位であっても時間的に早く発注された注文が優先して執行されるこ ととなる。したがって、買付会社と特定の売方以外を排除するものではなく、広 く株主に売買の機会が確保されることとなる。また、本所では、豊富な流動性を 有するオークション市場との一体的な売買監理が行われること等から、取引の公 正性や透明性 ivが高い。

(インサイダー取引規制との関係)

買付けに当たっての一般的な重要事実に伴うインサイダー取引規制との関係、 買付情報を有する売方に生じるインサイダー取引規制との関係については、上記 ( 2) と同様の方法により対応するものとする。

(8)

(相場操縦規制等との関係)

上記( 2) と同様、事前の買付内容の公表が、他の者に誤解を与えたり相場に影 響を与えることのないよう、買付数量については市場動向で取得できない場合も 想定されること等を付記するといった対応が適当であり、さらに、買付情報を事 前に公表することによる市場への不確定要素を早期に解消する観点から、買付結 果の公開を行うことが適当と考えられる。

以 上

i 本所では、昨年 11 月 30 日より、一般気配に係る注文数量を公表し、上場会社も含め、一般の投資 者は広く情報端末等を通じて当該情報を入手することができる。これは、最も優先して執行される値 段(売付注文では最も安い値段、買付注文では最も高い値段)にどれ程の注文量が存在するかを示す ものであり、個別銘柄について、例えば「101 円 で 15 千株の売り注文、100 円 で 20 千株の買い注文」 といったように表示される。買付けに当たっては、その時の最も優先する売付値段にどれ程の注文数 量があるか、すなわち、どれ程の数量を買い付けることができるかを見ながら、効率的に買付けを行 うことができる。

ii 指値注文とは、いくらまでで買いたい又は売りたいと具体的に値段を指定するものであり、例えば 100 円で買付注文を発注すると、100 円以下の価格で取引が成立することとなる。なお、指値注 文の場 合は、具体的な価格を示すことから、価格水準によっては市場への何らかのシグナルとなってしまう 可能性に留意する必要がある。この点、前日終値による発注は、市場への影響を回避するうえで有効 な方法である。一方、成行注文は、指値注文のように値段を指定することはなく、その時の時価で買 付け又は売付けを行いたいという注文である。したがって、具体的な買付価格を示さないため、買付 価格による市場への影響の回避を図ることができる。ただし、成行注文は指値注文よりも優先して執 行されるため、仮に相手方が何らかの事情で売却に応じられないこととなった場合には、価格形成に 大きく影響を与える可能性があることに留意が必要である。

iii ToSTNeT−2(終値取引)では、売り買いがあらかじめ合致した注文として発注する クロス取引による方法と、売り又は買い注文が発注するクロス取引以外の方法の2種類がある。 前者の場合は他の注文に優先して執行されるため、他の参加者の注文は排除してしまうこととな るが、後者の場合は、時間的に早い注文が優先して執行されることとなる。終値取引を利用した 自己株式取得に際しては、他の株主の売買の機会を確保する株主平等の原則の趣旨から、クロス 以外の注文による方法を採ることが必要である。

iv ToSTNeT−2の取引内容はオークション市場における取引内容と同様に、リアルタイム で広く一般に伝達される。したがって、投資者はオークション市場やToSTNeT−2の取引 情報を情報端末等を通じて入手することができるため、自己株式の買付状況がブラックボックス 化することはなく、取引の透明性が非常に高い。

(9)

(資料1)自己株式取得に関するガイドライン

(資料2)公開買付期間中の市場価格の推移

(資料3)東証・大証・名証のオークション市場における重複上場銘柄の流動性比較

(本資料では省略)

(資料4)事前公表型買付けの具体的な流れ

(資料5)事前公表型買付けの場合のプレスリリース例

(資料6)オークション市場における売買契約締結の方法等について

(本資料では省略)

(資料7)ToSTNeT−2(終値取引)の制度概要

(10)

自己株式取得に関するガイドライン

平成 10 年 12 月 15 日 東 京 証 券 取 引 所

本所は、自己株式取得を実施する会社が相場操縦等の行為及び内部者取引に係る規 制の趣旨を踏まえて適切に買付けを行うことができるよう環境を整備する観点から、 このガイドラインを策定いたしました。

このガイドラインは、自己株式取得に係る相場操縦等のおそれがある行為の有無の 調査に関し、本所が主に注視している行為形態等をまとめたものであります。

なお、このガイドラインは法令の正式な解釈を示すものではありませんので念のため申し 添えます。

1.相場操縦等のおそれがある行為

本所は、自己株式の買付けが相場操縦等のおそれがある行為かどうかを判断するに当た り、原則として以下の項目について注視することとしております。

自己株式取得を実施する会社はこれらのことに留意することが望ましいと考えられます。

内 容

午前立会寄付(午前立会に約定が成立 しない場合は午後立会寄付)に、前日の 終値又は最終気配値段を上回る価格で、 自己株式の買付けを行っているかどうか。

直前の約定価格又は気配値段を上回る 価格で、自己株式の買付けを反復継続し て行っているかどうか。

( 1) 価格

直前の約定価格の水準を買い支えるよ うな自己株式の買付けを反復継続して行 っているかどうか。

い わ ゆ る 相 場 の く ぎ 付 け を 行 っているかどうかであり、例え ば、直前の約定価格より安く買 い付けることができる状況にも かかわらず、直前の約定価格近 辺の指値で自己株式の買付けを 反復継続して行うような場合等 が左記に該当する。

午後立会(半休日の場合は午前立会) 終了前30分以内に、自己株式の買付け を行っているかどうか。

午 後 立 会 終 了 前 3 0 分 以 内 に 発注される場合が左記に該当す る。

( 2) タイミング

決算期(中間決算期を含む。)末日前 一週間以内に、自己株式の買付けを行っ ているかどうか。

資料1

(11)

2

内 容

株式、転換社債、新株引受権付社債等 の募集又は売出しの価格決定に影響を及 ぼし得る期間内に、あるいは募集又は売 出しの期間中に、自己株式の買付けを行 っているかどうか。

( 3) 買付株数 一日の買付株数が、買付日前一か月の 一日当たり平均売買高の25%を超えて いるかどうか。

なお、流動性の低い銘柄についてはそ の売買高を勘案する。

い わ ゆ る 事 前 公 表 型 の 買 付 け に係る株数は、一日の買付株数 から除く。

( 4) 委託証券会社 一日に多数の証券会社を通じて自己株 式の買付けを行っているかどうか。

( 5) その他 自己株式の買付けに関して、取得計画 の策定や具体的取得予定日、取得予定数 量、取得方法等について風説を流布し、 又はこれに類する行為を行っているかど うか。

なお、相場操縦等のおそれがある行為ではないかとの疑義を避けるため、証券会社又は信 託銀行等との間の一任契約等に基づき、実際の自己株式取得を実施することも有効な手段と 考えられています。その際、契約締結においては、ガイドラインの趣旨を踏まえて買付けを 行う旨の内容を盛り込むことが望ましいと考えられます。

2.内部者取引

会社が自己株式取得を実施する場合には、定時総会に自己株式取得を付議する旨の決定等 のほか、個別具体的な買付けの決定(具体的取得予定日、予定数量等の決定)も重要事実に 該当すると考えられています。

自己株式取得を実施する会社自体は、個別具体的な買付けについては公表しなくても自己 株式の買付けを行うことが可能となっています(証券取引法第166条第6項第4号の2) しかしながら、その会社の役員等が未公表の個別具体的な買付けの決定を知ったうえで自社 の株式を個人として売買することは内部者取引規制の対象となります。

また、自己株式取得期間中に他の重要事実が発生した場合において、個別具体的な買付け の決定に関与する者が未公表の他の重要事実を知ったうえで自己株式の買付けを行うこと は、内部者取引規制の対象となります。

自己株式取得を実施する会社及びその会社の役員等はこうした規制に抵触しないよう売 買を行う必要があり、そのためには、重要事実が発生した場合には速やかにこれを公表する など、以下の事項について留意することが望ましいと考えられます。

(12)

留意事項

①社内管理体制

個別具体的な買付けの決定に係る情報を厳格に管理し、自己株式の買付 けの決定に関与する者や重要事実を一元的に管理する者以外の者が、その 情報を知り得ない体制を整備する必要がある。

また、会社の役員等が自社の株式を個人として売買する場合には、重要 事実を一元的に管理する者に対して事前に申請させ、その役員等が個別具 体 的 な 買 付 け の 決 定 に 関 与 し て い な い こ と を チ ェ ッ ク す る 体 制 を 整 え る ことも重要である。

②一任契約等に基づく買付けの委託

証券会社等との間の一任契約等に基づき、証券会社等に買付時期、買付 価格等を一任して自己株式の買付けの委託を行う場合には、当該証券会社 等 に お い て 個 別 具 体 的 な 買 付 け の 決 定 に 係 る 情 報 が 適 切 に 管 理 さ れ る よ う当該契約において担保される必要がある。

③個別具体的な買付けを行わない期間の設定

自己株式取得を実施する会社が、個別具体的な買付けを行わない期間を 設定し、これを公表することは、その会社の役員等が個別具体的な買付け の 決 定 を 知 っ た う え で 自 社 の 株 式 を 個 人 と し て 売 買 す る こ と を 防 止 す る 方策として有効であると考えられる。

( 1) 会 社 の 役 員 等 が

公表の個別具体的な 買付けの決定を知っ たうえで自社の株式 を個人として売買す ることを防止するた めの留意事項

④買付けが終了した場合の公表

買付可能期間が終了する前に自己株式の買付けを終了した場合には、 い付けた株式の種類、総数及び取得価額の総額(買付けを中止する場合に は、中止の理由)を公表する必要がある。

①公表

他 の 重 要 事 実 が 発 生 し た 場 合 に は 、 速 や か に こ れ を 公 表 す る 必 要 が あ る。

②社内管理体制

他の重要事実に係る情報を厳格に管理し、個別具体的な買付けの決定に 関与している者が他の重要事実を知り得ない体制を整備する必要がある。 ( 2) 個 別 具 体 的 な 買

けの決定に関与して いる者が未公表の他 の重要事実を知った うえで自己株式の買 付けを行うことを防 止するための留意事

③一任契約等に基づく買付けの委託

証券会社等との間の一任契約等に基づき、買付時期、買付価格等を一任 して自己株式の買付けの委託を行うことは、個別具体的な買付けの実質的 な決定を行う者(証券会社等)が他の重要事実を知り得ない体制をより厳 格に整備できることとなり、個別具体的な買付けの決定に関与する者が未 公 表 の 他 の 重 要 事 実 を 知 っ た う え で 買 付 け を 行 う こ と を 防 止 す る 方 策 と して有効であると考えられる。

以 上

(13)

資料2

公開買付期間中の市場価格の推移

1.A社の場合

290 300 310 320 330 340 350 360 370

19 98

/8 /1

7 19

98 /8

/1 9

19 98

/8 /2

1 19

98 /8

/2 3

19 98

/8 /2

5 19

98 /8

/2 7

19 98

/8 /2

9 19

98 /8

/3 1

19 98

/9 /2

19 98

/9 /4

19 98

/9 /6

19 98

/9 /8

19 98

/9 /1

0 19

98 /9

/1 2

19 98

/9 /1

4 19

98 /9

/1 6

19 98

/9 /1

8 19

98 /9

/2 0

19 98

/9 /2

2 19

98 /9

/2 4

公開買付期間

公開買付価格

2.B社の場合

1800 1850 1900 1950 2000 2050 2100

19 98

/6 /2

3 19

98 /6

/2 5

19 98

/6 /2

7 19

98 /6

/2 9

19 98

/7 /1

19 98

/7 /3

19 98

/7 /5

19 98

/7 /7

19 98

/7 /9

19 98

/7 /1

1 19

98 /7

/1 3

19 98

/7 /1

5 19

98 /7

/1 7

19 98

/7 /1

9 19

98 /7

/2 1

19 98

/7 /2

3 19

98 /7

/2 5

19 98

/7 /2

7 19

98 /7

/2 9

19 98

/7 /3

1 19

98 /8

/2

公開買付期間

公開買付価格

公開買付期間中の市場価格と公開買付価格を比較すると、公開買付価格は市場価格に対して 硬直的であり、取得予定株数にもよるが、市場において有利な価格で買い付け得る機会が多く 見られる。

(14)

資料4

事前公表型買付けの具体的な流れ

具 体 的 な 買 付 内 容 の 決 定 前 に 、 上 場 会 社 が 大 株 主 等 に 売 却 意 向 の 確 認を行うことは可能 X日−1

立会終了後

具体的な買付内容(日時・数量・方法等)の決定

具 体 的 な 買 付 内 容 を も と に 大 株 主 等 へ の 売 却 依頼を開始

具体的な買付内容を2以上の報道機関に公開

(上場管理室への通告、TDnet への登録)

証 券 会 社 が 公 表 前 の 買 付 情 報 を 提 供 し て 勧 誘 を行うことは禁止

売 方 に 生 じ る イ ン サ イ ダ ー 取 引 規 制 を 避 け る こ と を 目 的 に 、 買 付 内 容を事前に公開

X日 買付情報の効力発生(インサイダー取引規制の解 除)

上場会社は買付注文を、大株主等は売付注文を、 その他の株主等は売り買い注文について、それぞ れ証券会社に委託

・公開後 12 時間以上経過

注文受付時間 8時 20 分∼

注文発注

・注文を受託した証券会社は東証に注文発注

オ ー ク シ ョ ン 市 場 、 T o S T N e T − 2 と も に 注 文 受 付 開 始 時 刻 は 8時 20 分

取引時間 取引約定

オークション市場では、全ての売り買い注文を 価格優先、時間優先のルールの下で処理、取引 を約定(約定価格は売り買い数量のバランスで 決定)

ToSTNeT−2では、全ての売り買い注文 を 時 間 優 先 の ル ー ル の 下 で 処 理 、 取 引 を 約 定

(約定価格は前日終値)

オ ー ク シ ョ ン 市 場 の 取 引時間は9時∼11 時、 12 時 30 分∼15 時

T o S T N e T − 2 の 前 日 終 値 に よ る 取 引 時 間は8時 45 分

取引約定後 買付結果を2以上の報道機関に公開

(上場管理室への通告、TDnet への登録)

事 前 公 表 に よ る 市 場 へ の 不 確 定 要 素 を 早 期 に 解消することを目的

(15)

事前公表型買付けの場合のプレスリリース例

1.買付け内容・方法の決定に関するプレスリリース例 買付け前日の立会終了後に配布

(1)オークション市場における買付け

自己株式取得に関するお知らせ

本日、下記のとおり、商法第 210 条ノ2(取締役・使用人に対するストック・オプション 付与)の規定に基づく自己株式の具体的な取得方法を決定しましたのでお知らせします。

本日の終値○ 円と同価格で、平成○ 年○ 月○ 日の寄付きから東京証券取引所の売買立 会において買付けの委託を行う(他の取引制度への変更は行わない)。当該買付注文は同日 限りの注文とする。

1.取得する株式の種類 当社額面普通株式 2.取得予定株式数 ,○

(注1)当該株数の変更は行わない。なお、市場動向等によ り、一部又は全部の取得が行われない場合もある。

(注2)○ 株式会社より、保有する当社株式の一部を売買 立会において売却したい旨の連絡を受けている。 3.委託注文の価格 円(指値)

(注3)成行や他の指値に変更することはしない。 4.取得結果の公表 月○ 日の立会終了後までに取得結果を公表する。

自己株式取得に関するお知らせ

本日、下記のとおり、商法第 212 条ノ2(利益による消却)の規定に基づく自己株式の具 体的な取得方法を決定しましたのでお知らせします。

平成○ 年○ 月○ 日の寄付きから東京証券取引所の売買立会において成行きによる買付け の委託を行う(指値や他の取引制度への変更は行わない)。当該買付注文は同日限りの注文 とする。

1.取得する株式の種類 当社額面普通株式 2.取得予定株式数 ,○

(注1)当該株数の変更は行わない。なお、市場動向等によ り、一部又は全部の取得が行われない場合もある。

(注2)取得予定株式数に対当する売付注文をもって、売買 立会による売買取引で買付けを行う。

3.取得結果の公表 月○ 日の立会終了後までに取得結果を公表する。

資料5

(16)

(2)ToSTNeT−2(終値取引)による買付け

自己株式取得に関するお知らせ

本日、下記のとおり、商法第 210 条ノ2(取締役・使用人に対するストック・オプション 付与)の規定に基づく自己株式の具体的な取得方法を決定しましたのでお知らせします。

本日の終値○ 円で、平成○ 年○ 月○ 日午前8時45 分の東京証券取引所のToSTN eT−2(終値取引)において買付けの委託を行う(その他の取引制度や取引時間への変更 は行わない)。当該買付注文は当該取引時間限りの注文とする。

1.取得する株式の種類 当社額面普通株式 2.取得予定株式数 ,○

(注1)当該株数の変更は行わない。なお、市場動向等によ り、一部又は全部の取得が行われない場合もある。

(注2)○ 株式会社より、保有する当社株式の一部を上記 取 引 制 度 を 通 じ て 売 却 し た い 旨 の 連 絡 を 受 け て い る。

3.取得結果の公表 月○ 日午前8時 45 分の取引時間終了後に取得結果を公表す る。

自己株式取得に関するお知らせ

本日、下記のとおり、商法第 212 条ノ2(利益による消却)の規定に基づく自己株式の具 体的な取得方法を決定しましたのでお知らせします。

本日の終値○ 円で、平成○ 年○ 月○ 日午前8時45 分の東京証券取引所のToSTN eT−2(終値取引)において買付けの委託を行う(その他の取引制度や取引時間への変更 は行わない)。当該買付注文は当該取引時間限りの注文とする。

1.取得する株式の種類 当社額面普通株式 2.取得予定株式数 ,○

(注1)当該株数の変更は行わない。なお、市場動向等によ り、一部又は全部の取得が行われない場合もある。

(注2)取得予定株式数に対当する売付注文をもって買付け を行う。

3.取得結果の公表 月○ 日午前8時 45 分の取引時間終了後に取得結果を公表す る。

(17)

2.買付け後のプレスリリース例

自己株式取得結果に関するお知らせ

昨日お知らせしました自己株式取得につきましては、本日、下記のとおり取得いたしまし たのでお知らせします。

1.取得理由

2.取得した株式の種類 当社額面普通株式 3.取得株式数 , 4.取得価格 5.取得日 年○ 月○

6.取得方法 東京証券取引所の売買立会による買付け

(18)

ToSTNeT−2(終値取引)の制度概要

項 目 備 考 1.取引対象

2.取引時刻

3.取引価格

・上場内国株券(新株及び優先株を含む。)及び上場転換 社債券(外貨建転換社債券及び外国転換社債券を除く。

・ 午前8時 45 分、午前 11 時 30 分、午後4時(半休日は、 午前8時 45 分及び午前 11 時 30 分)

・ 注文の受付時間は午前8時 20 分∼午後4時(半休日は 午前8時 20 分∼午後0時 15 分)

①午前8時 45 分:前日終値、前日売買高加重平均価格 (小数点以下第四位まで、以下同じ)

②午後0時 15 分:前場終値、前場売買高加重平均価

③午 :当日終値、後場売買高加重平均価格、 当日売買高加重平均価格

終値には、特別 気配を含む。

終値・特別気配 と も な い 場 合 に は 取 引 対 象 外。

4.呼値(注文)

5.売買契約の 締結方法

・ 呼値の順位は、時間優先の原則に基づく。

・ ただし、クロス注文については、他の呼値に優先する。

・ 売買高加重平均価格による取引は、クロス注文のみを 対象とする。

・ 呼値の順位に従って、売呼値又は買呼値のいずれか少 ない方の呼値の全部の数量が執行されるまで対当する 呼値の間に取引を成立させるものとする。

・ 自 己 株 式 取 得 の際には、クロ ス 注 文 に よ る 利 用 は 行 わ な い。

6.決済方法

7.売買の停止

8.売買内容の 公表

9.信用取引・ 貸借取引

・ 売買契約締結の日から起算して4日目(休業日は除く。 以下同じ。)に決済を行う。ただし、当該日が配当落又 は権利落等として定める期日の場合は5日目とする。

・ 本所は、売買立会による売買で対象銘柄の売買取引の 停止が行われた場合や、投資者の投資判断に重大な影 響を与えるおそれがあると認められる情報が発生して おり、当該情報の周知等が必要と認める場合等には、 売買を停止できるものとする。

・ 本所は、終値取引における取引内容について、個別銘 柄毎に各取引価格別の総売買高を相場報道システムを 通じて公表するものとする。

・ 終値取引は信用取引及び貸借取引により行うことがで きるものとする。

・ 同 一 決 済 日 と な る 普 通 取 引 等 と 総 括 清 算 とする。

資料7

参照

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